新著「ウェブで学ぶ」刊行のお知らせ

 9月8日に、梅田望夫さんとの共著「ウェブで学ぶ ― オープンエデュケーションと知の革命」(ちくま新書)が刊行されます。

 カーネギー財団のプロジェクトを通して刊行した「Opening Up Education」(MIT出版)から二年、今回は梅田さんという素晴らしいパートナーと共に、「ウェブ進化と教育の未来」について考え抜き、語り尽くしたことを、本書のような形で日本の皆さんのためにまとめられたことを、とても嬉しく思います。今の世界や日本を取り巻く状況の中で、オープンエデュケーションをフル活用し、皆さん一人ひとりが「どのように人生の可能性を切り拓いていけるか」を考えるための糧としていただければ幸甚です。以下、目次です。

『ウェブで学ぶ――オープンエデュケーションと知の革命』目次


はじめに(飯吉透) 


第一章 ウェブ進化が人生を増幅する(梅田望夫) 
人生を切り開いていくための強力な道具/「知の宝庫」たるウェブ/「師」や「同志」との出会い/職を得る、生計を立てる道筋へ/「経済のゲーム」と「知と情報のゲーム」/グーグルと中国/グローバル展開への強烈な意志/グローバルウェブを牽引する三つの力/グローバルウェブとオープンエデュケーション  


第二章 オープンエデュケーションの現在(飯吉透)  
ウェブによって生まれ変わったオープンエデュケーション/オープン・テクノロジー、オープン・コンテンツ、オープン・ナレッジ/ローカルからグローバルへ/オープンエデュケーションが続々と生み出す教育界の「ウェブ・スター」たち/カーネギーメロン大学の挑戦/初等・中等教育への浸透/「格差超越装置」としてのオープンエデュケーション/オバマ大統領の”オープンエデュケーション宣言”/「オープン・テキストブック」による教科書の無料化・低価格化/見え始めた「より開かれた二一世紀の大学」の新たな姿/牽引力としての民間財団の存在と社会的フィランソロピー精神/教育の開化・深化・進化/[コラム]メタ・ユニバーシティとクラウド・カレッジ  


第三章 進化と発展の原動力  
「逆転の発想」から始まったMITオープンコースウェア/「互助精神」「フロンティア精神」「いたずら心」「宗教的信念」/「カリフォルニアン・イデオロギー」と「東部エスタブリッシュメント的なもの」/オープンエデュケーションは独善的?/ヨーロッパにおけるオープンエデュケーション/授業料無料のグローバルなインターネット大学/個人の「狂気」がブレイクスルーを生む/成長段階仮説/オバマ政権とオープンエデュケーション/営利のオンライン大学/国内格差の解消、グローバル格差の解消/オープン・リサーチ、オープン・サイエンス/進化する教科書、オープン・テキストブック/初等・中等教育でも始まったオープン・テキスト化/ビジネスサイドからの新しい教科書出版の動き/[コラム]クリエイティブ・コモンズとオープンエデュケーション


第四章 学びと教えを分解する  
オープンコースウェアは誰がどのように使っているか/アメリカの大学と「閉じ込めのシステム」/独習者はどのように学んでいるか/[コラム]オープンコースウェアで学んだ土谷大さん/教育と「強制システム」/ウェブと能動性/「テクノロジー」「ナレッジ」がなぜ必要か/「師」や「同志」とどのように出会えるか/学習コミュニティ/学びから職へ/専門的な知識を生かして社会貢献する/セーフティーネットとしてのオープンエデュケーション/[コラム]アルゼンチンの地方から世界へ:サンルイス・デジタル構想  


第五章 オープンエデュケーションと日本人、そして未来へ  
「残りのすべての人々のため」の教育?/英語圏と非英語圏で違いはあるか/ロングテール化する教育/日本でのオープンエデュケーションの萌芽/「英語で学ぶ」ために「英語を学ぶ」/キャッチアップ型の学びを超えて/グローバル・プラットフォームの進化がもたらしたインパクト/享受者としてのデジタルネイティブたち/予測不能な未来を生きるために  


おわりに(梅田望夫) 


本書で言及した主なウェブサイト